無条件のボクからの手紙|アシカオリジナル自叙伝1
衝動で「何か」を書きたくなる時がある。
それは、幼い子供が白紙のキャンバスに色鉛筆を7本持って、虹を書くように無条件に「何か」を書くようなものだ。
それでいいんだよ。
小さい頃は、何の意味もなく外で遊び、家に帰って気が向くまま寝ていた。
家を散らかしてありのままの自分だった。
しかし、いつからか、お利口な自分となって片付けをするようになり、おもちゃに目を向けなくなった。
僕も、いつからか大人になっていった。
そして、真面目な大人ではなく、社会的には底辺と言われる「低収入者ニート」になった。
世間では、全く相手にされない。
もちろん5年間くらいは、会社員という「役」を演じた。
「代表取締役」をおだてる「役」だった。
小さい頃から、外で遊んでいたから、野球に長けて高校では4番になっていた。
野球が上手ければモテる、女の子と付き合えると思っていた。
しかし、中学生の頃の9番セカンドで野球をやっていた時のほうがモテた。
不思議なものだ。
僕は、高校からますます人が嫌いになっていった。
それは、人の心が読み取れる不具合を持っていたからだ。
「人の心を読める」と聞くと、羨ましがられるかもしれないが、実際は違うんだ。
高校生の思春期を過ぎると、みんな純粋な子供から大人になる。
友達が受験で腹黒いライバルになり、野球でもレギュラー争いのライバルになるんだ。
そのため、僕は4番という野球の称号は手に入れたが、甲子園出場をかけた3年生の夏の大会では、「早く負けてしまえばいいのに」と思っていた。
しかし、4番というチームの柱という「役」も演じた。
その結果、地方大会の一回戦は先制タイムリーを打った。
二回戦では、「早く負けてしまえばいいのに」と思っていたから、2安打していたが、最後の打席で打つ気がしなかった。
そうして、負けた。
こうして、野球という自分の「役」から降りた。肩の荷が下りたはずだった。
しかし、何をすればいいのかわからなくなった。
受験勉強するはずが、全く文字が読めない。
現実を直視できず、逃げるように大学へ行った。
勉強しなくても、合格できる最低ランクとされる大学に入学した。
しかし、理系の一家であると親に聞かされていたから、理系に進んだ。
それは、確かに「就職」や人生を合理的に進めるには有利だった。
なぜなら、営業職や経理は、何も創っていない。創っているのは技術者だ。
そんな技術職である建築業で働き出した。重労働であり3Kとされる現場監督だった。
給料は良かったが、大きな建築物になればなるほど、組織的な階級制度があった。
幸いにも人には恵まれ、その階級制度を新築の賃貸マンションから世界でも日本でも有数の発電所・変電所と現場を見た。
見たというのは、自分で創ったわけではないからだ。私が創れたことは、笑顔にすることくらいだった。
人の心を感知しすぎるせいで、技術職である職人が本来重宝されるはずなのに、金融に強い「営業職」や「経理」の仮想のビジネスが、代表取締役をおだてる会社の椅子が用意されていた。
不思議なものだ。
そのことを職人さんに正直に話すと喜んでいた。「職人があって、私たちの現場監督があるって」。
そんな寄り添って話をする「現場監督はいない」と、特に大手になればなるほど「人をモノのように使う」と言っていた。
しかし、僕はこの人たちもとても残念に思った。確かに、物を創るのはとても長けている。
そしたら、職人さんが集まってしまえば、営業職も経理も必要なくなるのにと思った。
さらに言えば、お金の計算もせず、多くの物が創られて、壊しての小さい頃の遊びの続きができるのにと思った。
しかし、それは理想だ。「お金がなければ、人は動かない」と洗脳されていた。
ここで、そんな会社員の役を演じて、たまたま野球部があった。気がつけば、4番ピッチャーになっていた。
会社の顔が広がり、出世する未来がはっきりと見えた。お客さんとも顔が広がって人脈もできだした5年目だった。
「しかし、それで何があるんだろう?」と思ってしまった。
彼女も人並みにできた。
たまたま居酒屋で飲んでいたら、会社の女性と出会い気がつけば同棲していた。
しかし、それ以上に「なにか、なにか欠けている」と思えてしかたがなかった。なにが?
仕事にやり甲斐がみいだせず、僕は直属の上司という「役」の人に「退職」のメールをした。
この先のことは、全く考えていなかった。
無条件に生きてみることにした。
少しばかりの貯金と同棲している彼女を頼りに生きだした。
家事をし、彼女の肩をもみ、気に入らない点は紙に書き出して応えた。
「だけど、覚えておいて欲しい」。
ほとんどの女性は、「本当は何かをして欲しいんじゃない。理不尽な社会に対して何かをぶつけたいんだ」。
年を取って、女性として扱われていた自分がババアになってしまい、そのババアに対して落胆をし、世間に怒りを覚えるんだ。
そのため、ある時を堺に、急に女性は変わる。
いい子ちゃんだったあの女性がまるで本当にクソババになるんだ。
男は、そんな女性の前では借りてきた猫同然である。
しかし、そんなクソババアを超えた高貴なる女性もいる。
年齢に関係なく「偉大なる母」になる決意をした女性は、本当に、本当に言葉が見つからないほど美しい。
話を戻すと、同棲していた女性は、お金にうるさい方ではなかったが、少しばかりのブログの収入では、わたしの将来性に、可能性がないと見たらしい。
多くの女の人は打算的である。
同棲していた女性も例外ではなく、次の男を見つけてから別れを告げてきた。
もちろん、異端的な女性もいるが、覚えておくといい。
男の諸君。女性は、全く異なった人間である。
それが魅力的で惹かれるんだ。
また、逆も然り。社会的なプロパガンダは、抜きにしておく。
と、いいながら記しておこう。
ジェンダーっていうのは、見方によっては嘘つきのピノキオだ。
女子校にすると、女の人は女の人と付き合ってレズが増える。
反対に、男子校にするとホモが増える。
これはデータで分かっている。
つまり、入り乱れた自然の法則から逸脱する。
同性愛になると、病気の感染率が増えるのも自然の法則から逸脱するからだ。
アルカリ(女の人)と酸性(男の人)なのだ。それを変えようとしても変わらない。
そしたら、男は男としてできることをやばいい。
女の人は、女としてできることをやばいい。
イザナミとイザナギの関係なのだ。
決して、差別発言をしているわけでない。
花の雌しべに雄しべといくらいっても、それは、雌しべだろう。
話を戻すと、わたしは同棲しているこの女性との「役」にも飽きてしまった。
「彼氏」がいて「彼女」という関係がいる。
兄弟もそうだ。
お兄ちゃんが先に生まれたように思うかもしれないが、弟が生まれて兄が生まれる。
両親もそうだ。
子供がいない両親はなりえない。
そう、ボクはすべての依存を壊したくなってしまうのだ。
子供の頃は、そんな依存関係はなかった。
ただ、眼の前に人がいて入り乱れ、また誰かわからない人と入り乱れる。
安心できる近くにいる人に身を寄せる。
飽きたら、次へ行く。
それだけだった。
そこで、自分を演じる役は、必要なかった。
そう、なんにも必要なかったんだ。
そのため、反対にボクはすべて捨ててみることにした。
家族という役。
彼氏という役。
男という役。
すると、次から次へ「思い込み」という囚われがあらゆるところにあることが見えてきた。
そして、その役を失うことを恐れるんだ。
意味を見つけていたのがボクじゃないボクだったんだって。
すると、何もかもの水準は最低と呼ばれるものになった。
けど、全くと言っていいほど、高校のときの「はやく負けてしまえばいいのに」って思うような気持ちは無くなっていた。
みんな、心のなかにある何かの「役」を演じて成りきっている主演男優賞、主演女優賞なんだって。
そうすると、まったく他人の目線が気にならなくなる。
その人の動作は、どんな役を演じているのかな。
「可愛い自分かな?」
「周りの目線を気にして笑顔を演じる自分かな?」
そうやって、いくつもの自分を演じている。
あのクソババアになった女性もそうやって演じている。
貧乏も演じている。
文章を書く小説家も演じている。
Youtuberという自分も演じている。
どんな自分も演じているだけなんだって。
體で遊べる幸せなことなんだって。
そのため、いつもボクの明日のスケジュールは、白紙。
それでいいんだ。
時間的な自由があるのはいいことだ。
こうやって、無条件に書きたいことを文章に綴っている。
これはある意味とっても、いいことに思う。
ありきたりな文章でない自分を演じるから。
みんな同じ体験の文章では、それは魅力を失うんだ。
無条件になげうってこそ、どんな自分を演じているかがわかるんだ。
心を読み取れていると、疲れ果てたその先に、相手の心で演じていることがわかる幸福なことに変わるんだ。
ただ、85%の人がネガティブに付随している。
笑顔に見えても、心奥はどす黒いんだ。
幼子はいい。
幼子は、そのままだ。ネガティブだと、泣いて表現する。
大人は、泣くことが許されず心を消す。
ボクは、いまだに、おもちゃは投げ捨てられ、家の中はすぐに散らかる。
そんなボクから君に伝えたいことは、「幸福」の水準は自分が決めているってこと。
他の誰かじゃない。
君は、この先とっても重たい肺病にかかる。
42度の生死を彷徨って、フラフラして無気力になっていくんだ。
それでも、会社に行って外に行けば笑顔にする。
社会の役を演じる人たちのなかで、心を持つ人は、ほんとうに、ほんとうに僅か。
みんな忙しくして、生産性のないものは邪魔者にするんだ。
心を置いてきぼりにした社会は、破滅に向かう。
「お金さえ、自分さえ、いまさえ」の破滅の工程表と計算書をたくさん創っている。
「そんなことをすれば、どうなるかわかるよね?」
こうして、創造のプロセスを踏み出す者たちは、企業から手を引いている。
自ら、信頼を無くしてしまったんだ。
「もう、どうしようもできないってね。いくら心をもって接しても、自分の役職にこだわるばかりだってね。そして、新たな時代に入ったんだ」
10年前の君は、信じないと思う。
けど、ぼくはあのとき真面目に文章を書いたことがなかったのに、これだけの文章が書けるようになったんだ。
決して、文豪と呼ばれる綺麗で見栄えのいいものではない。
けど、下手なら下手でいいんだ。
うまいやつは、感情をいちいち「比喩」して綺麗にしなくちゃいけない「役」を演じる。
本にも気をつけること。「役職」がついた人の虚栄がたくさんあるからね。
あと、キミに伝えたいのはやってくれたこと、したことをみるといい。
両親は、君に文句をいうかもしれない。
けど、未熟な両親なりに君を育ててくれた。
親は親の役を棄てないけど、君は子供という役を棄てられる。
親も一人の人として、感謝すればいいんだ。
たった、それだけ。
感謝なんだ。
この辺で君への手紙は終わりにする。
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